ハチノヘPeopleインタビュー  佐藤慎也さん

八戸市美術館の館長に就任したのは、建設前から美術館のあり方について検討する委員会のメンバーとして関わってきた佐藤慎也さん。
開館を目前に控えて、この美術館がもつ魅力や今後の夢について伺いました。

八戸市美術館館長

佐藤慎也さん

市民の皆さんが美術館に初めて入ったプレイベント(8月8 日)の感想を教えてください

短い時間でしたが多くの人たちに来て頂けてとても嬉しかったです。コンサートを行う回があったり、トークを行う回があったりした中で、ただ美術館を見学するだけの回もあったのですが、ジャイアントルームと呼んでいる大きな空間で市民の皆さんがくつろいでいる姿を見られて、居心地の良い場所ができたことを確認できてとても良かったなって思っています。そして、皆さんに期待されていることを実感したので、頑張っていかないといけないなと思っています。

 

八戸の街や人の印象はどうですか?

最初に八戸に来た時に「おいしいクロワッサンがあるよ」と誘われて朝市に行ったことが印象強く残っています。すごく活気があって、人もたくさんいて…。
僕は以前、研究のためにドイツの美術館に 1 年間滞在したことがあり、ヨーロッパにも日曜日の朝に広場でマーケットがあったのです。僕が住んでいたのはフランスとの国境に近い街だったので、フランスからクロワッサンを焼く車がやって来て販売しているんですよ。
まさにそれに重なるんですよね。
みんな集まって朝ごはんを食べて、買い物をしてということが行われて賑わっていて、朝市にもそのパワーみたいなものをすごく感じましたね。あとは横丁のお店ですよね。時折、提供する人とお客さんが入れ替わるような場面があるのも面白いです。

館長就任はどんな思いで引き受けられたのですか?

お話を頂いた時は本当に驚きました。僕自身は建築が専門で美術の専門家ではありません。
それでも様々な場面でずっと美術や演劇の活動に関わってきましたし、アーティストの人たちと一緒にいろんなことをやってきました。
スタッフとして美術やアートプロジェクトを専門にしている学芸員が大勢いますし、運営を一緒に進める職員もいます。
ユニークな建築の美術館をどう使っていくのかということを考えた時、僕自身の今までの経験を活かせる場面があるんじゃないかなと思って、それであればぜひ引き受けてみようと思いましたね。

八戸の美術館ならではの魅力、可能性はどんなところに感じますか?

完成された展覧会だけではなくて、常に出来事が起こっていくようなプロジェクトをこの美術館では大きい柱のひとつと考えていて、その組み合わせによって面白いことが次々と起こる場所にしたいと思っています。
アーティストと共に何かを作ったり考えていくプロジェクトの場面もあれば、今度は集まった人たちが主体的にプロジェクトを作る立場を担うこともあるだろうと思っています。
まさに朝市や横丁みたいな、様々な人が集まってお互いが楽しみ合う状況が生まれると、八戸らしい美術館ができるのではないかなと期待しています。

館長としての抱負や夢は?

八戸の皆さんが八戸に暮らす中で日常的に楽しむもののひとつにこの美術館がなってくれることが、今の夢と言えるでしょうし、地域に根付いた新しい美術館のあり方になるのではないかなと思っています。
世界的に見ても「八戸って面白い美術館がある街だよね」って言われるような存在になることを楽しみにしています。街の中に新しい居心地の良い場所がひとつ増えたという気持ちで遊びに来て欲しいですね。

佐藤慎也(さとう・しんや)さん

八戸市美術館館長。日本大学理工学部建築学科教授。
芸術文化施設の建築計画を専門とし、「アーツ千代田 3331」改修計画などに関わる。
また、建築に留まらず、アートプロジェクトの構造設計、ツアー型作品の制作協力、まちなか演劇作品のドラマトゥルクなど、美術、演劇作品制作にも参加。

photo:川瀬一絵

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